| 街に吹く風 ―タウン誌紹介― | 01/10/16 |
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Vol.2 ― 地域の普通の人にこそ情報がある。 「no! (エヌ・オー)」から始まるつながりとテイストを伝えたい。 ― 『no!』 NO! 編集部(福岡市) |
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2000年5月、その情報誌は創刊された。書店に並んだその表紙を見たとき、東京発の雑誌だと思った。読めばそうでないことが分かるのだが、これまでとまったく違った情報だった。そのすっきり感じはストリート系ファッション誌と勘違いするほど。しかも300円。この雑誌が福岡で作られていることに驚かされた。それが『no!』だった。
『no!』は5年前に熊本で誕生した。代表の鈴木俊二さん(右写真)は当時会社勤めをしていたが、仕事で知りあったスタッフと創刊。出すにあたってどの雑誌も参考にしなかった。情報誌や地元のタウン誌はいろいろあったし、イベントや映画、グルメやファッションの情報ならどこにでもある。でも、自分たちが本当に読みたい情報はない。自分たちが面白がるように、普通の人たちは何楽しみ、どんなことを考えているのか。普通の人にこそ情報がある。そんな雑誌、自分たちが読みたいものを作ってみたい、ということから、この新しいタイプの情報誌は始まっている。最初はぺらぺらのタブロイド版からスタート。価格も高校生が無理なく買える値段に設定した。ある程度の反応はあったけれど、さらに本腰を入れてやってみたい。確たる自信も根拠もないまま、なんとかなるだろうと会社をやめる。こんなふうに始めたから、雑誌づくりは楽しいけど、創刊当初の経営は苦しかった。しかし、一年目が過ぎるころになんとか自分たちの給料を出せた。二年目には累積していた借金も返せるようになり、三年目には黒字が出るようになった。そして、昨年四年目に福岡版を創刊。熊本での実績があるから、ある程度は売れるだろうと思っていた、自分たちが出しているのはこれだけだから、これ単独で採算がとれないとやっていけない。そうやって福岡で一年。とりあえず黒字にはなっている。まだまだこれからわからないですけれど、と鈴木さんはいう。
この雑誌に登場するのは普通の人たちとその情報。コアな読者が若いからそういう層に向けた記事や写真が多くなってくるけれど、編集の切り口は広いし、実際に幅広い年齢に読まれている。内容は、冗談みたいなものからシリアスなものまで、さまざまな情報が混在している。それは、同じ人のなかにもふざけた考えとまじめな考えが同居するように。パラパラとページをめくっていくなかで、さまざまなテイスト、さまざまな人を知ることができるのがこの雑誌の面白さ。自分の好みのテイストだけでなく、違うものに触れて、同じ福岡で普通に暮らしている人を知って、なんらかのつながりを感じてほしい。そして、物事を深く考えていくきっかけになれば、と願っている。全国紙だと情報や人が遠すぎて面白くない。ありがちなタウン情報誌だとその街の規模やイベントの数、広告の量などで雑誌の規模が限られるし、よその地域で出す意味もない。でも、『no!』ならば、発信される情報を普通の人に求めているから、どこの地域でもこの雑誌を作っていくことができる。全国誌ではできないことも、このやり方、この規模なら冒険ができるし、もっと面白いことがやれる。 タウン情報誌というのは、これまでイベントやグルメ、ファッションや新しい店の紹介をするだけのものだと考えていた。しかし、普通の人を取り上げていくことで、これだけ面白いものを作ることができる。この情報誌は、この街と人と空気を感じることができる。こういう雑誌の作り方もあったのだ。 『no!』編集部 所在地:福岡県福岡市大名2-1-43-702号 TEL:092-738-7730 |
| 文:塩屋光一(しおや・こういち) コピーライター・編集者 E-Mail:showya@ppp.bekkoame.ne.jp ホームページ:http://www.net-jp.com/showya/ |
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